その他のこと3

所長の独り言(海外編)  


台湾税金体験記 その1

(平成17年10月)

 先日、取引先と台湾へ行ってきました。面積は九州の7分の6、人口は約2300万人。時差は1時間で日本より1時間遅いです。首都台北市は人口267万人、第2位は高尾市150万人。以下台中市100万人、台南市80万人と続きます。
 通貨レートは日本円1万円に対し、2830元〜2840元でした。(お札の漢字表記は圓ですが、通貨単位はニュー台湾ドルといいます。不思議・・)
 台北市内を歩いていると、一軒家はほとんどありません。マンションばかりです。マンションの軒下は人が通れるようになっています。通行人は雨に濡れずに歩けます。なぜ他人が家の軒下を歩けるのかというと、台湾には「千客万来」という考え方があるからです。また、道路には車が至る所に駐車されていて、歩道にもバイクが駐輪されています。決して違法駐車ではなく、白線内は時間貸しで自由に停められます。
 中国は台湾を自国の一部と言っていますが、台湾人は全くそう考えていないようでした。名を捨て実をとる。つまり、自国の自治権が守れれば、表面上は戦争を避けるため中国の言うことにあえて逆らっていないだけです。
 また、私が感じた台湾は「親日」で、最近の韓国や中国の日本叩きとは全く違います。人々は「日本人」を温かい目で見てよく声を掛けてくれました。
 さて台湾の生活ですが、物価は日本とあまり変わりません。それなのに給与は安く月給3万元前後(約10万円)。日本人向けの店は高く、チャーハン1杯で1500元、ガイドさんの1日のバイト代を超える所もあります。
 台湾の出生率は1.22人(日本は1.27人)で、少子化が深刻です。台湾には兵役があり、男は全員20歳になれば1年半(来年より)軍に入隊します。忠烈祠(革命などで戦死した将兵の祭祀場)の衛兵は陸海空軍のエリートが務めます。
 


台湾税金体験記 その2

(平成17年10月)

 台湾の法人税は年所得5万元以下は非課税、5万元〜10万元が15%、10万元超は25%です。所得税は年37万元以下は6%、その後累進課税で最高は372万元超の40%です。日本と比べて低めですが、所得水準から言えば高いとも言えるでしょう。
 消費税は5%。一部例外もありますが、日本と同じ税率です。免税品を買っても5%の還付しかありません。免税店で物を買うのは信用を買うと思ったほうがいいでしょう。
 さて、台北市内を休日に歩き、マンション1階の店舗を覘くと、ほとんど客がいません。閉まっている店も多かったのですが、不動産屋の前で足を留めました。マンション価格坪当たり安くて60万元、高くて90万元。土地も高く、1坪50万元。台北で住むことは大変です。4キロ歩いて百貨店に入り、お目当ての民芸品を購入。諸葛亮孔明の指人形、2980元也。(12000元のは流石に手が出なかった・・・)
なお、台湾の烏龍茶は安いもので600g100元、高いものだと88万元!!ピンきりです。
 ここで漢字をいくつかご紹介します。「湯」はスープのこと。ということは、日本の銭湯の「男湯」は台湾人が見ると男がダシのスープ?・・ 「愛人」は愛する人、恋人。中国では配偶者を指し、日本ではそのままの意味。 「愛的世界」は愛の世界?いや、子供用品店です。 「汽車」は自動車、「計程車」はタクシーです。
 最後に・・、町のあちこちで「檳榔(ビンロー)」という看板を目にします。店はネオンサインとガラス張りで売り子さんは若い女性。1箱50元〜100元のものを売っています。それは椰子の一種で、眠気覚ましの男性用ガムだそうです。1つ噛んでみました。!!!とてもマズいです。口の中が赤くなり、後味も悪く、どうしてこれが売れるのか不思議でした。


北欧税金体験記 その1

(平成17年7月)

 先日北欧4カ国へ行ってきました。北欧のイメージは税率が高い国、福祉国家、白夜などでしたが、実際行って、見て、現地ガイドさんの話を聴いて、その全てを感じ取ることができました。 
 最低税率所得税30%、住民税20%の計50%。つまり、年間給与450万の人でも、225万位は税金ということです。酒税も高く、消費税は25%にもなります。物価はびっくりするほど高かったです。ほとんどの商品が関西価格の約2倍していました。
 なぜこれで生活できるのか不思議でしたが、北欧は夫婦同権の国。給与も一緒でほとんどの家庭が共働きです。一人当たりの国民所得は450万円でも、夫婦二人合わせると900万円になります。この場合手取り450万円ですが、貯蓄率はゼロに近く(平均貯蓄は約10万円)、もらった給与は全て使う国民性です。これなら生活はできますよね。でも、貯蓄なしでどうやって老後生きていけるのでしょうか?
 この答えは、福祉国家にあります。生まれたときから一切の医療費は無料、老後は国民全員が同額の年金を受け取れ、貧しい人も生活が保障されています。
 ただ、これらの弊害はあります。出生率は日本と同程度の低さですし、離婚率も50%で、結婚より同棲を優先するため未婚の母も多いです。ただ、北欧は基本的に自由に生きることを認める国ですが、貧困で生活補助を受ける人は国から色々と制約を受けます。これが嫌だと考える国民が多く、頑張って働くのです。学校でもいじめがあります。しかし、日本と違ってカウンセラーが各学校に常駐しており、いじめ問題に積極的に取り組んでいます。
 ところで、都市部にはマンションしかありません。日本のような1軒家は周辺に行くとあります。山の中腹には別荘が立ち並び、裕福な家庭が多いような気がします・・・?・・・。
 給与が少なく、税が高く、物価が高いのになぜ自宅や別荘が買えるのでしょうか?自宅の平均価格は約4000万ほどです。安くありません。2世帯住宅もありません。小さな家が多いです。
 これらの答えは次のとおりです。まず、子供は18歳になると成年となり、家を出て一人暮らしを始めるのが通例です。そのため北欧の1世帯あたりの平均人数は1.5人程度です。大きな家は必要ないのです。
 また、給与は少ないですが、週37時間労働で、残業はほとんどなし。有給休暇も充実しています。年間40日もの連続した休暇が取れます。育児休暇は夫婦ともに1年取れます。この間の給与も80%保障されます。そのため家族サービスにかける時間が必要です。別荘が必要なのもうなづけます。
 先ほど書いた離婚率ですが、最大の離婚理由は、家族サービスの欠如だそうです。家族のためにかける時間を確保できないと5年目くらいで離婚になるようです(家族サービスは結婚生活の最大の条件です)。
 次にこの国の税金の計算のシステムに家の購入が多い理由があります。日本では住宅借入金控除で少しの所得税が還付されるだけですが、北欧では借入金の返済額は給与収入から控除して所得計算をすることができます。そのため借金して家を買って税金負担を減らしている人が多いのです。
 なるほど、理由がわかってきました。日本も参考にすべきところが多いですね。
 最後に白夜ですが、北欧でも北極圏に達しないと完全な白夜になりません。でも、6月末から7月初旬にかけて北欧の首都では夜11時でもまだ薄暗く、朝3時にはほのかに明るくなってきました。

 

北欧税金体験記 その2

(平成17年7月)
 
 北欧の徴税は各市町村が行います。日本と同じ府県民税や市町民税、所得税がありますが、いったん全てを市町村が行い、それを府県や国に配分するという地方分権が行き届いています。なぜ50%を超える税金を市民が支払うことができるのでしょうか?
 それは資金の使途がはっきりしているからです。市町村を国が監視するシステムがいいのでしょうね。税金の使われ方が透明ならば自分が納めた税金が無駄に使われていないと安心できます。
 バブル後国債を乱発し、その尻拭い(返済)のために増税へ走る今の日本には信用できる税金の使い方が期待できるでしょうか?今後に注目したいと思います。



北欧税金体験記 その3

(平成17年7月)

 北欧の国には自動車会社が殆んどありません。そのため車の多くは外国から輸入しています。この関税もすごく高くて日本で150万円の普通車も北欧では300万円以上します。
 そのため車はぜいたく品で、交通量も多くありません。都市部には電車が走っています。とても幅が狭くて普通車の横幅と同じくらいです。この電車、次から次へと一杯見かけます。ホームに4両編成の電車があり、後ろ2両がはみ出てるので変だと思ったら、実は2両編成の電車が追いついてぴったりくっついていました。
 北欧の人は通勤に時間をかけません。最大で45分です。イラチなんでしょうか、もし郊外に引っ越して通勤時間が45分を超えたら自宅の近辺の仕事場に転職するほどです。2時間かけて通勤する関東のサラリーマンと大違いですね。
 通勤で高速道路を走る場合もありますが、北欧は高速道路の建設費は全額国が支出します。でも日本と違うところはすぐに無料となるところです。これなら通勤に費用がかかりません。一応借金をして建設しますが、採算計画がしっかりしています。日本も見習ってほしいものですね。